養育費を払わない元旦那の言い訳
奥さんがいて、かわいい子どもまにも恵まれているのに、なぜか不倫に走ってしまい妻子を捨てたバカなA男がいました。
不倫の相手は、同じ会社の7歳年下の部下のB子でした。なんでも、B子の相談に乗っているうちに、お互いに恋心が芽生えて深い関係を持ってしまったとか…。
いつしかA男はB子の部屋に入り浸るようになり、妻子の暮らす家へ帰らなくなりました。ふつう、不倫をする男は絶対に奥さんに知られないように隠そうとしますが、A男は自分から「好きな女性ができた。俺は、もう家に帰るつもりはない…」と離婚を申し入れてきたそうです。
当然ですが、奥さんは激怒!慰謝料とマンションのローンの支払い、そして毎月の養育費の支払いを約束させ、公正証書にして離婚に応じました。
慰謝料は一括して受け取り、マンションのローンも元旦那が払っていますが、養育費が振り込まれませんでした。
「どういうことよ?ちゃんと養育費を振り込んでよ!」と電話したところ、「子どもに会わせてももらえないのに、なんでお金だけ払わないといけないんだ!」と逆キレされたそうです。
実は、A男が希望した子どもとの面会を、元妻である彼女はかたくなに拒否していたわけです。夫婦関係はしょせんは他人同士でも、親子はいつまで経っても血肉の分けた我が子です。
感情としてはA男の気持ちも分からないではありませんが、離婚の原因はA男が作ったものですし、養育費についても支払いを約束し、公正証書まで交わしています。
元奥さんには「差し押さえの手段が取れるけど、もう一度よく話し合ってみて」とアドバイスしました。
元夫と子どもの面会交流は条件をつけて!
夫のDVが原因で、結婚生活7年で離婚した真弓さん。5歳の男の子は真弓さんが親権者となって引き取り、監護者として養育しています。
元夫は女系家族に中で育ったこともあり、男の子が生まれた際には涙を流して喜んだのですが、仕事上でのストレスや実の姉妹との軋轢があったためか、何かと真弓さんに当るようになり、DVが激しくなって行きました。
我が子に対しては、溺愛とも言えるような愛情を注ぎ、休日にはほとんど抱っこをしてあやしていた元夫なのに、食事や掃除などの家事に対して何かと文句を付け、手を上げることが増えていきました。
そんな毎日がエスカレートして、頬骨を骨折するほどに殴られた真弓さんは、何も持たず我が子を抱いただけの姿で市が運営しているDVシェルターへ駆け込みました。
紆余曲折を経て真弓さんの望むように離婚に至りましたが、元夫は養育費を払う代償として息子との面会が自由にできること!と条件を付けてきたのです。
「養育費は絶対にほしいので、元夫が望むように息子との面会は自由にさせた方がいいのでしょうか?」と相談を受けました。
結婚から離婚に至るまでの状況をいろいろとヒアリングした結果、真弓さんには、息子との面会交流に関して元夫が望む「いつでも、好きな時に面会できる」を拒絶し、毎月1~2回に限り、できるだけ大勢の目がある公共の場での面会のみに限定するようにアドバイスしました。
…というのも、父親として息子を溺愛していることから、自由に面会を認めていては、連れ去りのリスクがあり、真弓さんに対してもDVの危険性が生じます。
「息子さんに自我が形成できる年齢になるまでは、親権者として父親との面会を認めるべきではありません」と伝えました。
養育費の未払いはなぜ起きた?!
知り合いのシングルマザーから「元旦那が養育費を払ってくれなくなった」と相談を受けました。
彼女は離婚の際に養育費に関して公正証書を取ったこともあり、ここ半年ほどは元夫から約束の日に約束の金額が振り込まれていました。
ところが、3ヵ月前から未払い状態になり、元夫の携帯へ電話したりメールを送っても無視されているそうです。
なぜ、養育費が不払いされるようになったのでしょうか…。
それは、彼女が子どもと元夫を会わせないようにしたことが原因でした。
父子の面会の日の前日に、彼女から元夫へ「子どもが熱を出したので面会はできない」とか「子どもが明日は会いたくないと言っている」などの理由を並べ立て、3ヵ月続けて会わせないようにしたのです。
もともとは、元夫の不倫が原因で離婚となってしまい、元夫は当時の不倫相手と同棲しています。
彼女にとってみれば、怒りと悔しさの中で離婚を余儀なくされたため、我が子との面会には離婚当初から乗り気ではありませんでした。
そんな気持ちが強くなり、面会を拒否してやろうと思うようになったわけでした。
彼女には公正証書がありますから、養育費の不払いを続ける元夫に対しては強制執行をかけることができます。しかし、子どもと実の父親の面会を妨げることは、子どもの精神的な成長にとっても好ましいことではないと思いました。
「給与の差し押さえなど強制執行はできますが、それは最後の手段です。離婚に至った事情は理解できるけど、それと親子の問題は分けて考えた方がいいし、養育費は子どもを育てるためには欠かないお金だから、もう一度面会交流を認めてはどうですか」とアドバイスを送りました。
ちょうど子どもさんも「パパに会いたい」と言い始めたこともあり、面会を認めました。すると、翌月には、また養育費が振り込まれてきたそうです。
父親にとっても子供はかわいい我が子。面会を遮断されたことで感情的になり、養育費の未払いになったのだと思います。